肩関節周辺の炎症で引きおこる”五十肩/四十肩”
point
①40代・50代を中心とした中高年に発症することが多い
②肩の腱板が傷害されて肩関節周囲に炎症を起こして痛みが生じる
③経過過程には急性期・慢性期・回復期の3段階み分かれます
原因と考えられることは加齢に加えて肩の運動不足や冷え
五十肩は、医学的には肩関節周囲炎といいます。40・50代を中心とした
中高年で発症することが多いです。ただ、最近では30代でも発症することがあります。
原因としましたは、肩関節の周囲の組織に炎症が起こり急激な痛みが生じたり、
動かしにくくなったりする病気です。
肩関節は上腕骨と肩甲骨、鎖骨の3つの骨で構成され、腱板という腱の束が肩甲骨
と上腕骨をつないでいます。腱板は、弾力性に富んでいますが、加齢やテニスなどの
肩関節を使うスポーツのしすぎなどによって腱板が傷つくと、肩関節のまわりに
炎症が起きて痛みが生じたり、動きにくくなったりします。また、肩を動かすことが
不足したり、肩を冷やす生活なども原因になります。
経過は次の3段階に分かれます。
①急性期(発症直後の約2週間):安静にしていても肩が痛い、肩が痛くて夜も
あまり眠れないなど、痛みがもっとも強く現れます。肩関節を動かした際の強い
痛みが2〜3ヶ月続くこともあります。
②慢性期:肩関節が動かしにくくなります。肩の炎症が治まってきて強い痛み
はなくなりますが、肩を動かすと痛みが生じます。2〜4ヶ月続くこともあります。
③回復期:肩の痛みはほとんどなくなりますが、肩関節の動きが悪い状態は
続きます。3ヶ月〜半年ほど続くこともあります。多くの場合、肩の動きは徐々
に良くなってきます。
段階別対処方法
①急性期:基本的に安静です。炎症を抑えるために、冷湿布で冷やします。
痛みが激しいときには、非ステロイド系の消炎鎮痛薬で痛みを抑えます。
それでも痛みが治まらないときは局所麻酔薬とステロイド薬を肩関節に注射します。
②慢性期:急性期とは逆に今度は肩を温めて血流を改善して炎症を抑えます。
この段階になりましたら、痛みのない範囲で少しずつ肩関節を動かすようにしてください。
もし、肩の運動の後に痛みが生じる場合にはすぐに運動は止めてください。
③回復期:この段階に入ると痛みはほとんどなくなるので、積極的に肩を動かすように
して肩を温めたりしてください。
予防:心がけ次第で発症を防ぐことができる病気です。生活の中で肩を大きく動かす
機会が少なくなっていますので、日頃から意識して積極的に肩を動かすことが大切です。
ラジオ体操はお勧めです。また、肩甲骨を動かす体操も予防には効果的です。
但し、身体によいからといってやりすぎはNGです。自身のお身体の調子を確認しながら
無理のない範囲での運動を心がけしてください。