どうして”冷え性”は女性に多いの?
point
原因は体内で十分な熱量がつくれない、熱を抹消まで運べない
自律神経の乱れ
規則正しい食事、運動による筋肉の強化、暖かい服装などを心がける
冷え性は、女性に多くみられます。
人間には、体温を一定範囲に保つ機能があります。そのために食事からとった糖質
(ブドウ糖)や脂肪を筋肉や肝臓で熱に変換しますが、男性に比べて女性は食事の量や
筋肉量が少ないために生み出される熱量が少なく冷え性になりやすいです。
また、女性には貧血や低血圧が多いことも関係しています。
冷え性には、膠原病や甲状腺機能低下症、心臓病などが原因になっているものと、
とくだん原因になる病気になるものがないものの2種類があります。
圧倒的に後者が多いです。その原因には、体内でつくられる熱量が少ないこと、手足の末端
まで運べないことにあります。
体内でつくられるエネルギーの4分の3程度が体温維持のための熱として使われますが
約半分が筋肉と肝臓でつくられています。ですから、過度のダイエットを繰り返したり、
胃腸が弱く消化・吸収力が低下していたり、運動不足で筋肉が落ちていたりすると、体温を
保つだけの熱量をつくりだせず、冷えを起こしやすくなります。
冷え性の人の手足の先が冷えることが多いのは、身体の隅々まで熱を運べていないことが
原因になっています。熱を運ぶのは血液ですが、貧血やドロドロの血液、動脈硬化などがあると
血流が悪くなって抹消まで熱がいきわたらなくなってしまいます。
自律神経の乱れも冷え性の原因になりえます。寒いときには抹消の毛細血管が収縮したり、
鳥肌を立てたりすることで、熱を体外に逃がさないようにし、逆に暑いときには毛細血管の拡張
や発汗で熱を放出します。こうした体温調整をしているのが自律神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経: 仕事や運動などの活動をしているときに優位にはたらきます。
副交感神経:心身共にリラックスしているときに優位にはたらきます。
精神的・肉体的なストレスでイライラしたり、夜更かしなどの不規則な生活をしたりしていると
交感神経が長い時間優位にはたらくことになり、交感神経から副交感神経への切り替えが
スムーズに行われなくなり冷え性になりやすくなります。
体温を保つ十分な熱をつくるには、朝・昼・晩の3食をきちんととることです。
特に朝食は、寝ている間に低下した体温や代謝を高める働きがあります。
身体を温める食事を心がけてください。
筋肉が効率よく熱をつくりだすためには、胸やおなか、腰まわりや太ももといった大きな筋肉を
鍛えるよう心がけてください。
交感神経から副交感神経への切り替えをスムーズに行うのに有効なのが半身浴です。
38℃(夏)〜40℃(冬)のぬるめの湯に胸のしたまで20〜30分つかると、体の芯から温まり、
副交感神経が働いてリラックスできると思います。冬は肩が冷えないようにタオルをかけたり
して入浴するといいと思います。
室内外の温度差がありすぎると、自律神経が乱れやすくなります。夏は外気温との差を7℃以内
になるように冷房を調整してみてはいかがでしょうか。
職場などで室温の調整が難しいときには厚手の靴下を履いたり、重ね着をして体を冷やさないように
工夫してください。