ふくらはぎは第2の心臓!
栄養を送るのが動脈、老廃物を流すのが静脈
新鮮な酸素や栄養素を含んだ血液は、ポンプの役割をする心臓によって、動脈を通り、
頭から手足の先まで全身に送られます。
細胞が排出した二酸化炭素や老廃物を回収するのが静脈を流れる血液です。回収された
血液は、腎臓で濾過され、回収しきれなかった栄養素はここで改めて再吸収されます。
そして残った老廃物は余分な水分とともに、尿として排出されます。
静脈の血を流すためのポンプがふくらはぎ
静脈の血を流すのは、心臓ではありません。心臓がポンプの役割をするのは動脈を流れる
血です。そのかわりに静脈のポンプの役割をするのが全身のの筋肉なのです。筋肉が収縮・
弛援をくり返しながら、血液を重力に逆らって心臓に戻してくれているのです。
なかでも、ふくらはぎの筋肉がもっとも重要な働きを担います。なぜなら、二足歩行である
人間は重力の影響を受けやすく、下半身には常に全身の7割以上の血液が集まっているからです。
その大量の血液一気に、上まで押し上げているわけです。四足歩行の動物にはふくらはぎが
発達していないことからも、人間にとってふくらはぎがいかに重要かがわかります。
心臓とふくらはぎのポンプがきちんと働くことで、血液の循環が正常になります。もし、
ふくらはぎのポンプ作用が弱まれば、老廃物が溜まりやすくなり、さまざまな病気を引き起こ
してしまいます。それほどふくらはぎは重要な部分であり、これこそ”第2の心臓”と呼ばれる
理由なのです。
また、老廃物は、静脈に並行して流れるリンパでも回収しています。リンパも主に、下半身の
筋肉運動によって流されています。つまり、ふくらはぎの筋肉は、静脈とリンパ2つの流れを
司っています。
心臓ほど重要視されにくいふくらはぎですが、血液の循環を考えると実は、心臓と同じくらい
大切な部分なのです。